【賃貸】賃貸借契約書で最低限見るべき5つのポイント
物件契約する際に必ず署名するのがテナンシーアグリーメント(tenancy agreement)と呼ばれる賃貸借契約書。
内容を理解していないと後々即刻退居を求められたり、莫大な修理費用が発生することもある重要な契約書ですが、どこまで理解して署名されていますか?
本記事ではすべての貸主(オーナー)、借主(テナント)さまに最低限理解していただきたい、一般的な契約書に必ず含まれている大切な条項をご紹介します。
エアコンサービスの頻度(To service air-conditioners)
6ヶ月から1年に一度業者によるエアコンサービス(エアコン清掃)の手配が契約条項に記載されています。
これは清掃だけではなく、ガスの不足などを防ぐためでもあるので業者への依頼が必須。
レシートは必ず保管し大家さんから依頼があった際は提出できるよう保管してください。
実をいうと、契約書には必ず記載があるものの今まで契約期間中にレシートの提示を依頼されたケースはありません。
ただし万が一エアコンが破損した際にエアコンサービスを行った証明ができなかった場合、メンテナンス不足という理由でテナント負担での修理または新品への交換となることが考えられますので、契約書に定められた通りにエアコンサービスを行わない場合はリスクがあることをご承知おきください。
物件内での禁止事項の確認
・違法行為の禁止(Not to use for any illegal purpose)
・又貸しの禁止(Not to sublet)
は想像できますが、以下のような条項が入っている場合があります。
-大人数での集まりの禁止
以前騒音や悩まされたことがある大家さんが付け加えている場合に多い。
単身用の部屋の場合5名以上の集まりは不可と謳っている場合も。
一定の人数以上で集まり近所から苦情があった場合は保証金没収の上退居を迫られることもあります。
-大家に事前許可を得なければいけない項目の確認
・壁に穴を開けること
・ピアノ、本棚数個など重いものの設置
※インターネットTime.comでは配線のために壁に穴を開けます。念のために事前に大家さんへの連絡をしておくのが吉。
絵を掛けるためにシールで付けるフックを複数壁に貼ったところ、それを剥がすだけでRM300請求されたこともありました。
ソファの染みや床の傷は生活する上でついてしまうものではありますが、できるだけ汚さない、傷つけないようカバーを付ける、クッションマットを敷くといった対策がお勧めです。
駐在員特約(Expatriate clause)の有無
契約期間内でも会社の辞令でクアラルンプール以外への異動が決まった場合に限り2か月前通知にて途中解約可能とという特別条項。
通常13ヶ月目から適用される。
この条項の有無で契約の柔軟性が大きく変わるので必ずお目通しを!
退居に関わる条項(Terminations)
特に揉めるのは退居時。この条項をきちんと理解しておく必要があります。
・途中解約時の違約金についてどのように定められているか
保証金2か月分の没収または満期分の支払いと定められています。
この2つの違いはかなり大きいので要注意。
・何ヶ月前の退居連絡が必要か
2-3ヶ月前が一般的。
また契約終了を伝えた後は新しいテナント探しのため、内覧を受け入れる必要があります。
あまりにも急な当日の内覧連絡などは却下して良い類のものとなりますが、事前に依頼があり在宅予定だった場合は承諾するのが大家さんへのマナーとなります。
経費、修理負担の内訳
・大家が負担するもの
管理費、修繕積立金、固定資産税
・テナントが負担するもの
・印紙代その他契約に関する費用
・その他RM200-300以下の軽微な修理
※明記されていない場合もありますが一般的には軽微な修理やテナント責によるものはテナント負担となります。
ただしこの点も大家さん次第のグレーゾーンです。
・電球交換→テナント
・排水管のつまり→テナント
・冷蔵庫、洗濯機など電化製品の故障→大家
・壁の落書き、フローリングの傷、床や台所の色落ち→退居時テナント負担にて原状回復
理由は以下の2つ
・大家さんが物件を綺麗に保ちたいという気持ちが強い。
・どんなに小さな傷や色落ちもテナント責が明らかであるため。
床の傷、壁の落書き、キッチンのタイルへの染み、それらの修理でRM7,000-10,000を保証金から引かれることも少なくありません。
逆に築年が経過している物件は入居時点で色落ちや壁の剥がれなどがあるのが普通であり、退居時にそれらの修理費用を請求されることはほとんどありません。
※ちなみに、テナント責でないものを後々請求されることがないよう、入居時にはエージェントが写真を撮影し契約書に添付するのが一般的です。
いかがでしたでしょうか。
このような重要事項が記載されている契約書を精査し、テナントとオーナーにとって公平な内容になるよう調整するのも仲介業者の役割です。
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