不動産コラム

【不動産購入】意外と知らない割引形態の差

プレビルド(建築中)物件では一般的とさえいえる「割引」。

しかしながら「割引」には大きく分けて2つの形態があることをご存じでしょうか。
割引形態の違いにより合計費用に100万円以上の差が出てくることもあるのです。

そして今後の査定額にも影響が出てきます。

今回は

・割引に関する覚えておきたい重要ワード4つ
・割引形態の違いによる具体的な費用の差
・どちらの割引形態が多いのか
・なぜリベート(Rebate)の方が多いのか
・まとめ

 
という段落構成で、Rebate/Discountの2つの割引形態についてご案内いたします。
 

1.はじめに。覚えておきたい重要ワード4つ

SPA Price(SPA価格)
Nett Price(ネット価格)
Rebate(リベート)
Discount(ディスカウント)

SPA Price(SPA価格)とは
SPAとはSales and Purchase Agreementの略で売買契約書のこと。
つまり売買契約書に記載される金額のことです。

Nett Price(ネット価格)とは
割引後の物件価格。
つまり実際お支払いいただく金額で、必ずしもSPA価格と同じではありません

Rebate(リベート)とは
売買契約書に「割引前の物件価格が記載される」割引方法。
よってSPA価格と実際支払うネット価格が異なる。

Discount(ディスカウント)とはである。
「割引後の価格が売買契約書に記載される」割引方法。
よってSPA価格とネット価格が同じである。

ポイント
リベートの場合はSPA価格とネット価格が異なり、ディスカウントの場合はSPA価格とネット価格が同じ

 
ではその違いによってどのような差が生じるのか、見ていきましょう
 

2.割引形態の違いによる諸費用の差

不動産購入時には物件価格以外に諸費用が発生します。

プレビルドと呼ばれる完成前物件の場合、ローン申請に関わる弁護士費用や売買契約書作成に関わる弁護士費用は多くの場合開発業者にて負担することが多いですが、必ず購入者負担となるのがMemorandum of Transferと呼ばれる不動産登記印紙税。
これは引き渡しから半年以内に支払い義務が生じるものでSPA価格の3-4%となっています。

さぁSPA価格が出てきました!

先ほどリベートの場合はSPA価格と実際の購入価格であるネット価格が異なると申し上げました。

例えばRM1,500,000の物件だとしましょう。
10%の割引がありRM1,350,000がネット価格です。

この10%割引がリベートだった場合
契約書に記載されるSPA価格はRM1,500,000
実際にお支払いいただくネット価格はRM1,350,000
不動産登記印紙税はSPA価格の4%でRM60,000

この10%割引がディスカウントだった場合
契約書に記載されるSPA価格はRM1,350,000
実際にお支払いいただくネット価格は同じくRM1,350,000
不動産登記印紙税はSPA価格の4%でRM54,000

不動産登記印紙税にRM6,000(約15万円)の差が出ていることがおわかりいただけますでしょうか。

これだけではありません。
日系の不動産会社では引き渡しまでのサポート費用として3%の手数料を頂戴している会社が多いので、こちらも計算してみましょう。

SPA価格が
RM1,500,000だった場合→RM45,000
RM1,350,000だった場合→RM40,500
こちらもRM5,500(約14万円)の差が生じます。

よってこの2項目だけでも約30万円もの差が生じているのです。
割引率だけで判断してはいけない理由がお分かりいただけましたでしょうか。
 

3.どちらの割引形態が多いのか?

圧倒的にリベートの方が多く、ディスカウントは稀と言えます。
 

4.なぜリベートが圧倒的に多いのか


 
それは購入者ができるだけ多くローンを借り入れられるというメリットがあるためです。

ローン申込はSPA価格で行います。
ここでは理解しやすいように日本円で例を出しましょう。

SPA価格100万円の物件を購入しました。
通常外国人には50%のローンがおります。
そのため自己資金は50万円、ローン分は50万円となります。

ですが、この物件には30%割引がありネット価格が70万円でした。
結果70万円の物件に対して50万円のローンがおりることになります。

そのメリットは

→自己資金が50%以下でも購入できる
→高額物件でも手が出やすくなる

 
これは一見買い手にとってメリットが大きいようですが、実際はできるだけ購入しやすくするための、販売側にメリットが大きい割引方法です。

先に申し上げた通りディスカウントの場合ローンでのメリットはありませんが、

・その他の諸費用が安く済むこと
・査定額に響かない

 
ことがメリットとなります。
 

まとめ

割引形態により大きな差が出ることはご理解いただけましたでしょうか。
とはいえ、どんな形態であれ割引があるのは嬉しいこと。

ご自身で気に入られた物件がディスカウントであればそれはご縁があったということなのかもしれません。
 
KL不動産では豊富な知識を持ったスタッフがお客様のご希望をよく伺った上で物件を提案させていただいています。

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